医療費控除の計算だけではダメ!誰が申告するかも大事です

医療費控除の計算と申告する人について解説

このページは、医療費控除の計算方法と申告をするにあたって家族の誰が申告をするべきか、また保育料とどのように関係してくるのかについて解説します。

 

医療費控除の計算はどうやるの?

医療費控除の計算式は以下のようになっています。

 

計算してマイナスでなければ申告が可能です。それにより、所得税の還付と翌年度の住民税の減税を受けることができます。

 

以下で計算した金額が戻ってくるわけではありませんのでご注意ください。

 

支払った医療費-保険金などで補てんされる金額-10万円(総所得200万円未満の人は5%)=医療費控除の対象となる金額

 

総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%の金額となっていますから10万円を超えていなくても申告できます。

 

医療費控除によりいくらもどる?計算事例

計算に関係してくるのは以下のものになります。

 

  • 支払った医療費
  • 保険等から受け取った補てんされた金額
  • 総所得
  • 所得税率
  • 住民税の税率

 

所得税の税率は以下の表のようになっています。住民税の税率は一律10%(都道府県民税4%と市町村民税6%の合計)です。

 

では、以下の4人の医療費控除の簡易計算した事例をご覧ください。
4人は生計を一にしている家族です。

 

簡易計算はこちらからできます。

 

父が申告した場合の還付金目安

生計を一にしている家族が支払った医療費が50万円、保険等から補填された金額は0円、父の総所得を800万円とします。

 

医療費控除額=50万円-10万円=40万円
以下の所得税率にあてはめます。800万円は23%になるので、所得税還付金は40万円✕23%=9.2万円となります。住民税減税分は、40万円✕10%=4万円

 

還付金結果:所得税の還付金は9.2万円、翌年度の住民税は4万円減税、合計13.2万円になります。

 

母が申告した場合の還付金目安

生計を一にしている家族が支払った医療費が50万円、保険等から補填された金額は0円、母の総所得を500万円とします。

 

医療費控除額=50万円-10万円=40万円

 

以下の所得税率にあてはめます。500万円は20%になるので、所得税還付金は40万円✕20%=8万円となります。住民税減税分は、40万円✕10%=4万円

 

結果:所得税の還付金は8万円、翌年度の住民税は4万円減税、合計12万円になります。

 

長男が申告した場合の還付金目安

生計を一にしている家族が支払った医療費が50万円、保険等から補填された金額は0円、長男の総所得を300万円とします。

 

医療費控除額=50万円-10万円=40万円
以下の所得税率にあてはめます。300万円は10%になるので、所得税還付金は40万円✕10%=4万円となります。住民税減税分は、40万円✕10%=4万円

 

結果:所得税の還付金は4万円、翌年度の住民税は4万円減税、合計8万円になります。

 

長女が申告した場合の還付金目安

生計を一にしている家族が支払った医療費が50万円、保険等から補填された金額は0円、長女の総所得が190万円。

 

医療費控除額=50万円-9.5万円=40.5万円

 

以下の所得税率にあてはめます。190万円は5%になるので、所得税還付金は40.5万円✕5%=20,250円となります。住民税減税分は、40.5万円✕10%=40,500円

 

結果:所得税の還付金は20,250万円、翌年度の住民税は40,500円減税、合計60,750円になります。

 

平成26年分の所得税率

課税される所得金額が1,000円から1,949,000まで
→税率は5%、控除額は0円
所得金額が195万円~3,299,000まで
→税率は10%、控除額は97,500円
所得金額が330万円~6,949,000まで
→税率は20%、控除額は427,500円
所得金額が695万円~8,999,000まで
→税率は23%、控除額は636,000円
所得金額が900万円~17,999,000まで
→税率は33%、控除額は1,536,000円
所得金額が1,800万円以上
→税率は40%、控除額は2,796,000円

 

以上の結果のように、住民税については一律10%になっているため同じになりますが、所得税については、税率がが高く、源泉徴収税を多く支払っている人のうほうが医療費控除は同じでも所得税の還付金は多くなります。

 

続けて以下をご覧ください。

医療費控除申告の大事なポイント

上記の結果のとおり誰が申告するかで所得税の還付金が変わってきてしまいます。ですので、一番所得が多く、かつ源泉所得税の多い方がまとめて申告をすることで還付金も多くなり得をします。

 

加えて、夫婦間で所得がほとんど同じで、医療費控除がたくさんあるようならば源泉所得税が多い方のほうで申告するほうがよいということになります。

 

また、医療費控除というのは、生計を一にしている配偶者や親族が支払った医療費をまとめて申告することができます。
この生計を一にしているという点がわかりずらい点ですが、国税庁のホームページでは次のように説明しています。

 

「生計を一にする」とは、必ずしも同居を要件とするものではありません。例えば、勤務、修学、療養費等の都合上別居している場合であっても、余暇には起居を共にすることを常例としている場合や、常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合には、「生計を一にする」ものとして取り扱われます。

 

 なお、親族が同一の家屋に起居している場合には、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除き、「生計を一にする」ものとして取り扱われます。

 

たとえば、親や子どもと別に暮らしていても、療養費や学資金等の送金をしていれば生計を一にしているということになるのでまとめて医療費に加えてよいということです。

 

医療費控除の申告は保育料にも関係してくる

医療費控除の申告をすることで、所得税還付に加えて、住民税も減税されるだけでなく、就学前のお子さんがいらっしゃる家庭では、保育料にも関係してきます。

 

というのも、保育料は世帯の住民税の所得割課税額を基礎として決定しているからです。
平成27年3月までの保育料は世帯の所得税額を基礎として決定していましたが、平成27年4月から世帯の住民税の所得割課税額に変更になっています。

 

実際には市町村民税額の所得割額に税額控除を足し戻した額になります。税額控除とは、配当控除・住宅借入金等特別税額控除・寄附金等税額控除・外国税額控除、調整控除の額をいいます。

 

この中でも特にみなさんに関係しているのが住宅ローン控除だと思います。住宅ローン控除を受けた方と受けれない方で保育料が違っては公平になりませんから足し戻をします。

 

ということで、住民税が安ければ、その分保育料も安くなるので、医療費控除がわずかでも申告することで、保育料も変わってくる場合があります。以下をご覧ください。

 

墨田区の保育料

例えば墨田区の保育料では以下のようになっています。(単位は円)
墨田区の保育料はA階層からD23階層まで区分されていますので、どのに区分になるのか人それぞれで違ってきますが、ここでは、その中のD7とD8の階層区分を抜粋してみました。

 

階層

区民税等の条件

保育料(月額)

0~2歳児

3歳児

4歳、5歳児

第1子 第2子 第1子 第2子 第1子 第2子
D7 72,800~97,000円未満 20,300 10,150 13,900 6,950 13,800 6,900
D8 97,000~115,000円未満  23,100 11,550 15,900 7,950 15,800 7,900

 

本来ならD8の階層に該当する方でも医療費控除の申告することで、区民税が減税になりD7の階層に変わることもあります。それにより階層にもよりますが、毎月1,000円から約3,000円くらいの保育料が違ってきます。ですので、所得税還付や住民税減税だけでなく保育料のことも念頭においておく必要があります。

 

まとめ

医療費控除の計算については、支払った医療費から保険等から補てんされた金額が10万円以上あれば申告が可能です。ただし、総所得が200万円以下の人は、総所得金額の5%となっていますので10万円以下でも申告はできます。

 

申告により、所得税の還付と住民税の減税があります。
住民税の税率は一律10%ですので、計算した医療費控除金額に10%を掛けた分が自動的に減税されます。

 

所得税については税率により還付金が違ってきますので、家族の中でも所得が多く、かつ源泉徴収税の多い方が申告されるほうがお得になります。

 

以上、「医療費控除の計算だけではダメ!誰が申告するかも大事です」についての解説でした。

 

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