生活保護の医療費はどうなっているの?

生活保護の医療費の仕組みについて解説

このページは、生活保護を受けている方の医療費の仕組みや医療券について解説します。

 

生活保護の医療費はどうなっているの?

生活保護とは、預貯金やその他の資産、働く能力等のすべてを活用しても生活ができない人々に対して国が最低限の生活ができるように援助する制度です。

 

生活保護費の支出としては、2012年度で約3.6兆円あり、受給者は最多の約216万人(2013年10月)に達しています。

 

また、医療費においては2012年度は、約1兆7000億円が支出されていますので、生活保護費の半分近くを占めています。

 

生活保護の種類

生活保護には8つの扶助があります。その中にこのページでのタイトルでもあります「医療費」が含まれています。

  1. 生活扶助
  2. 教育扶助
  3. 住宅扶助
  4. 医療扶助
  5. 介護扶助
  6. 出産扶助
  7. 生業扶助
  8. 葬祭扶助

 

医療扶助は、医療費は全額公費で補助されます。そのために無料で医者にかかれます。
また生活保護を受けると国民健康保険から除外されますので、保険料の負担もありませんが、国民健康保険証は交付されません。そこで後述します「医療券」を持って医療機関を受診することになります。

 

また、通常の健康保険を使って医療機関を受診する場合とは違って、生活保護者の場合は医療費を立替払して、後日請求するという制度はありません。

 

指定医療機関について

生活保護者が医療機関を受診する場合には、原則、福祉事務所が指定した生活保護指定医療機関を受診することになります。緊急の場合は除きます。

 

関連規定

指定医療機関医療担当規程
(医療券及び初診券)
第2条 指定医療機関は,保護の実施機関の発給した有効な医療券(初診券※注を含む。以下同じ。)を所持する患者の診療を正当な事由がなく拒んではならない。
第3条 指定医療機関は,患者から医療券を提出して診療を求められたときは,その医療券が,その者について発給されたものであること及びその医療券が有効であることをたしかめた後でなければ診療をしてはならない。○指定医療機関医療担当規程

 

医療扶助の範囲

医療扶助の範囲は以下のようになっています。
入院し場合での差額ベッド代については、本人希望の場合は自己負担となりますが、病院側での治療上必要な場合は医療扶助の範囲内になります。

  • 診察
  • 薬剤または治療材料費
  • 医学的処置、手術、その他の治療ならびに施術
  • 居宅における世話や看護等
  • 病院または診療所への入院および看護
  • 移送

生活保護者が医者にかかるための流れ

生活保護者が医者にかかるための流れは2通りありますが、市町村によって手続きの流れは異なっていますのでご注意ください。

 

パターン1

こちらは原則的なパターンです。

  1. まずは福祉事務所に申請をします
  2. 福祉事務所で医療券を発行します
  3. その医療券を持って指定医療機関に受診します

 

医療券を持って受診

 

パターン2

急病や事故などで急遽病院を受診した場合

  1. 病院に支給表等(市町村で名称が異なる)を提示して治療
  2. 患者はなるべくすみやかに福祉事務所等に連絡をし申請します
  3. 福祉事務所から病院に医療券を送付します

 

医療券を持たないで受診

 

医療券について

医療券は、必要とする入院、入院外、歯科、調剤等に応じて医療券・調剤券が発行されます。
医療券は、暦月を単位として発行され、有効期間が記載されています。

医療要否意見書とは

医療要否意見書とは、福祉事務所が患者の病状を把握するためと医療扶助を行なう必要があるかどうかを医師に確認を求めるための書類です。

 

ひとつの医療機関につき1枚必要で、外来では6ヶ月が認められます。
その後は、再度、医療要否意見書の届出を医療機関に求め、医療の要否等について確認のうえ医療券が発行されます。

まとめ

生活保護には、8つの扶助があり、そのひとつに医療扶助がありますい。
医療費扶助も全額公費で負担しているため生活保護者の医療費は無料となっています。

 

生活保護者が医療機関で治療を受けるためには、原則的には福祉事務所に請求をし、医療券をもらってから受診するという流れになります。ただし、急病などの場合は、受診後に福祉事務所に連絡や手続きをして、福祉事務所から医療機関に医療券を送付してもらうという流れになります。
尚、手続き等については、各市町村によって異なりますので各自お住まいの担当福祉事務所にご確認ください。

 

以上、「生活保護の医療費はどうなっているの?」についての解説でした。

 

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