未承認薬を使用したい人の患者申出療養制度とは?

未承認薬等を迅速に保険外併用療養として使用したいという困難な病気と闘う患者の思いに応えるため2016年4月から始まった患者申出療養制度について解説します

2016年4月から保険外併用療養費のひとつとして、患者申出療養制度が始まりました。そこで、この制度についてわかりやくすく解説します。

 

参考:厚生労働省の患者申出療養の概要について

 

患者申出療養制度とは

患者申出療養制度とは、未承認薬等を迅速に保険外併用療養として使用したいという困難な病気と闘う患者の思いに応えるため、患者からの申出を起点とする新たな仕組みとして平成28年4月から新たに保険外併用療養費に加えられた制度です。(保険外併用療養費については下記で説明しています)

 

流れとしては、患者が未承認薬を使用したいと医療機関に申請。さらに医療機関から国に申請をします。国が大きな副作用なく効果が期待できると認めれば、できる限り身近な医療機関で治療を行うことができ、通常の治療での診察費や治療費などは健康保険が適用できるようになります。

 

ただし、科学的根拠のない治療は承認されません。また、未承認薬等の費用については、全額自己負担になります。

 

患者申出療養の申出を行うのはどんなとき

 

厚生労働省のホームページより引用

  • 治験、先進医療、患者申出療養のいずれも実施していない医療を実施してほしい場合
  • 先進医療で実施しているが、実施できる患者の基準に外れてしまった場合
  • 先進医療で実施しているが、自分の身近な保険医療機関で行われていない場合
  • すでに実施されている患者申出療養が自分の身近な保険医療機関で行われていない場合 など

患者申出療養相談窓口は全国に77病院あります

臨床研究中核病院及び特定機能病院に係る患者申出療養の相談窓口は、平成30年5月10日現在、全国79病院となっています。詳しくは下記の厚生労働省ホームページでご確認ください。

 

患者申出療養相談窓口設置病院一覧先

 

患者申出療養制度の申請の流れ

初めての患者申出療養を実施する場合には、次のような流れになります。

 

  1. かかりつけ医に相談
  2. かかりつけ医は臨床研究中核病院と連携
  3. 臨床研究中核病院は国に提出する資料を作成
  4. 患者は、臨床研究中核病院を通じて国に患者申出療養を申請
  5. 国は原則6週間で審査を行う
  6. 審査がおりれば臨床研究中核病院や協力病院にて患者申出療養を実施します

 

すでに患者申出療養が行われている前例がある医療を他の医療機関が実施する場合には、以下の流れになります。

 

  1. かかりつけ医に相談(協力医療機関として患者申出療養を実施できるかどうか)
  2. 協力医療機関にて資料の作成
  3. 患者は協力医療機関を通じて臨床研究中核病院に新たな協力医療機関での患者申出療養での実施を申出
  4. 臨床研究中核病院で原則2週間で審査を行う(医療機関での実施体制や設備、専門性などを審査して判断)
  5. 新たな協力医療機関にて患者申出療養を行う

 

患者申出療養の承認件数はどのくらいあるのか

平成28年4月から平成29年7月末までで、患者申出療養制度の相談は、78件。
そして実施されたのは、4件。患者数としては142人です。(平成29年11月6日厚生労働省の患者申出療養制度の現状についての資料より)

 

患者申出療養のデメリット(課題)

〇患者申出療養は、保険診療と保険外(臨床研究)の組み合わせで行うものであるため、保険外部分の費用は患者負担となり高額となる。

 

〇患者申出療養として前例がない場合は、申請から承認まで6週間かかる

 

〇承認実施された技術が4件と少ない

 

  1. パクリタキセル腹腔内・静脈内投与とS-1内服の併用療法
  2. 耳介後部コネクターを用いた植込み型補助人工心臓による療法
  3. リツキシマブ静脈内投与療法
  4. チオテパ等の静脈内投与と自家末梢血幹細胞移植術の併用療法

保険外併用療養制度とは

患者申出療養制度は、保険外併用療養制度のうちのひとつと前述しましたが、こちらがどのようなものか説明します。

 

保険外併用療養制度とは?

病院での治療は一般的には保険適用されるもので行いますが、中には健康保険の使えない治療もあります。

 

困ったことに健康保険の使えない治療等と保険適用される治療を合わせて行うと、全部が全額自己負担になってしまいます。

 

しかしながら、「保険外併用療養費(先進医療や医薬品の治験に係る診療など)として並行して行った通常の治療と同じ部分となる診察・検査・投薬・入院料等については、保険が適用できるようにしましょう」というのが、保険外併用療養制度です。※保険外併用療養費そのものについては健康保険が適用されないため全額自己負担になります。

 

これだけですと、わからないかと思いますので具体的に説明します。

 

たとえば、医療費が総額で400万円で、内訳として、100万円は通常の治療費で、先進医療費(健康保険の使えない治療)が300万円だった場合。

 

先進医療費300万円については、保険適用がないため全額自己負担になりますが、通常の治療費の部分にあたる100万円については健康保険が適用されますから、3割負担の方は30万円になります。

 

よって、健康保険からの負担は、70万円(保険外併用療養費)となり、自己負担額は、300万円+30万円=330万円になります。こういった仕組みが保険外併用療養費の扱いになります。

 

保険外併用療養制度には3つある

保険外併用療養制度は、大別すると3つあります。

 

  1. 評価療養(先進医療など)
  2. 患者申出療養 ※平成28年4月施行
  3. 選定療養(差額ベッド代、歯科の金合金など)

 

評価療養や選定療養についてはこちらの差額ベッド代や初診時の紹介状など選定療養費と保険外療併用養費について徹底解説!をご覧ください。

アクサ生命では患者申出療養保険を発売

患者申出療養にて治療を行うと、患者申出療養の費用については健康保険が利用できないため、全額自己負担となり、大きな出費を伴います。そこでアクサ生命では、日本で初めて患者申出療養が保障できるように患者申出療養保険を発売しています。

 

1回の患者申出療養にかかる技術料(医療機関によって異なります)と同額が保障されます。ただし、1回の療養につき1,000万円が限度で通算としては2,000万円が限度になっています。

 

※ 患者申出療養制度の申請を行った全ての治療が承認されるわけではありません。

 

保険期間は5年(自動更新)、保険料払込期間も5年です。
保険料については、医療保険などとセットで加入する商品のため男性・女性とも一律月額400円 (契約年齢0歳~80歳)となっています。

 

興味のある方はアクサ生命のホームページでご確認ください。

まとめ

患者申出療養制度が2016年4月から保険外併用療養費のひとつとして始まりました。
この制度は、ガンなどの未承認薬などを使って治療を行いたい人が、かかりつけ医に申出をし、重大な副作用がなく、治療効果が認められ国から承認が得られれば、身近な医療機関で申しでした治療が受けられるようになる制度です。

 

メリットとしては、患者申出療養は、保険外併用療養費になるため、保険診療部分の費用については、健康保険が適用されますから、混合診療とは違って患者負担を減らせる点があります。

 

以上、「2016年4月から始まった患者申出療養制度とは?」についてでした。

 

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