下肢静脈瘤の手術費用はどのくらいなの?生命保険から支払われますか?

このページは、下肢静脈瘤の健康保険を使っての手術費用やレーザー治療の料金、高額療養費との関係、生命保険の入院・手術給付金の支払いについて解説しています。

 

下肢静脈瘤治療とはどういうもの?

下肢静脈瘤とは、足の血管がこぶのように浮き上がる病気で、原因は静脈の中にある逆流防止弁の故障によるものです。

 

国内の患者数は推定1千万人以上に上り、特に中高年の女性に多いといわれています。

 

下肢静脈瘤にはどのような手術がある

治療する方法として手術があり健康保険の適用になるのは4つあります。

 

硬化療法

静脈瘤が小さい場合や静脈瘤の原因血管が細い場合

 

高位結紮術(こういけっさつじゅつ)

下肢静脈瘤の原因となっている逆流血管が屈曲・蛇行している場合など

 

ストリッピング(下肢静脈瘤除去)手術

全身麻酔または下半身麻酔を使い、原因を取り除いてしまう手術。皮膚切開をする必要がある。

 

レーザー手術

時間は片足20分程度なため日帰りで行える。またレーザー手術はストリッピングと同等の治療効果が期待され、太さ1ミリほどのカテーテルを入れるだけで皮膚切開をしないため目立った傷が残らないというメリットがあります。

 

※ レーザー手術には保険適用外の自由診療のものもあります。

 

下肢静脈瘤手術のニュース

平成27年4月10日の日本海新聞より
山陰地方で初めて足の静脈に血がたまり、こぶのようになる下肢静脈瘤(りゅう)の治療について、鳥取大医学部付属病院(鳥取県米子市西町)は9日、高周波で患部の血管を焼いて閉じる「血管内焼灼(しょうしゃく)術」を実施したと発表。

 

従来は皮膚を切り、静脈を抜き取る治療が一般的で、同病院では昨年度54件の手術を行った。「焼灼術」は国内では2011年から導入。直径約2ミリの専用のカテーテルを静脈に差し込み、患部の血管に高周波を当てて血管を焼き閉じる。傷痕がほとんど残らない上、術後の痛みも少なく日常生活への復帰も早いのが利点だ。

 

WBS特集:▶治る!最前線第38回 下肢静脈瘤の最新治療

 

朝日新聞:▶下肢静脈瘤、体に優しい治療 高周波やレーザー、保険も適用

 

続いて下肢静脈瘤の手術点数について

 

下肢静脈瘤の診療報酬点数は何点ですか?

下肢静脈瘤の診療報酬点数は以下のようになっています。それぞれ手術点数です。(平成26年度)

 

下肢静脈瘤手術

1 抜去切除術10,200点
2 硬化療法(一連として) 1,720点
3 高位結紮術 3,130点

 

(1) 大腿部から下腿部に及ぶ広範囲の静脈瘤に対してストリッピングを行った場合は、「1」により算定する。

 

(2) 「2」における「一連」とは、所期の目的を達するまでに行う一連の治療過程をいい、概ね2週間にわたり行われるものをいう。

 

下肢静脈瘤血管内焼灼術

K617-4 下肢静脈瘤血管内焼灼術 14,360点
手術に伴う画像診断及び検査の費用は算定しない。

 

自己負担はどうなっている?

下肢静脈瘤の抜去切除術は10,200点ですので、1点あたり10円ですから費用は102,000円になります。健康保険で自己負担が3割の方は、30,600円ですが、この他に初診料や入院基本料、麻酔費用、検査料、食費、差額ベッド代もあります。
それらを含めて2泊3日でおおよそ7万円から12万円の費用(料金)になります。

 

レーザー治療の料金について

レーザー治療(保険適用)は、「診療法数点数表・下肢静脈瘤血管内焼灼術 14,360点」になりますから費用(料金)は143,600円です。健康保険で3割負担でしたら約43,000円です。

 

この他に初診料、麻酔費用、検査料を含めますので費用(料金)は約5万円から6万円になります。

 

ただし日帰りですので、差額ベッド代や食事費などは不要になります。

 

下肢静脈瘤手術名

入院有無

3割負担の方

1割負担の方

硬化療法 なし(日帰り) 1~2万円 約1万円
高位結紮術 なし(日帰り) 2~3万円 約1.5万円
ストリッピング手術 入院 7~8万円 約3万円
レーザー手術(保険適用) なし(日帰り) 5~6万円 約2万円

※ ストリッピング手術は、入院する必要があるため差額ベッド代や入院時の食事費が別途必要になります。

 

なお、上記で支払った医療費(入院時の食自費や差額ベッド代除く)が下記限度額を超えた場合は申請をすれば高額療養費として払い戻されます。

 

高額療養費に該当しそうな方は、69歳以下では④区分エ(標準報酬月額26万円以下の方)と区分オ(低所得者)(被保険者が市区町村民税の非課税者等)の方、70歳以上では外来でレーザー手術をされた方が該当すると思われます。

高額療養費について

下肢静脈瘤の手術が高額医療費に該当するかどうかは該当する区分によって違ってきます。

 

69歳未満の方の限度額

69歳未満の方の場合

区分 標準報酬月額 計算式 多数回数
83万円以上 252,600円+(総医療費-842,000円)×1% 140,100円
53万~79万円 167,400円+(総医療費-558,000円)×1% 93,000円
28万~50万円 80,100円+(総医療費-267,000円)×1% 44,400円
26万円以下 57,600円 44,400円
市区町村民税の非課税者等 35,400円 24,600円

注)「区分ア」または「区分イ」に該当する場合、市区町村民税が非課税であっても、標準報酬月額での「区分ア」または「区分イ」の該当となります。

 

※ 多数該当とは、4回目以降の自己負担限度額です。3回目までよりもさらに引下げられます。

 

70歳以上の方の限度額
区分 自己負担限度額
個人ごと(外来) 世帯ごと(外来+入院) 多数該当(※3)
現役並み所得者 44,400円 80,100円+(医療費-267,000円)×1% 44,400円
一般 12,000円 44,400円 なし
低所得Ⅱ(※1) 8,000円 24,600円 なし
低所得Ⅰ(※2) 8,000円 15,000円 なし

※1:低所得Ⅱ(※1)とは、世帯主および世帯員全員が市民税非課税世帯の方
※2:世帯主および世帯員全員が市民税非課税で、かつ各種収入等から必要経費・控除を差し引いた所得が0円で、年金収入が80万円以下の方。

生命保険から手術給付金は支払われますか?

生命保険に医療特約が付いていたり、医療保険に加入されている場合は、下肢静脈瘤根本手術給付金、下肢静脈瘤高位結紮術給付金、下肢静脈瘤硬化療法給付金などとして支払われる場合が多いので、契約されている保険会社に確認しましょう。

 

ただし古い契約の場合、下肢静脈瘤除去(抜去)術は支払われますが、硬化療法や結紮術(けっさつじゅつ)は支払い対象外という保険もあります。

 

最近発売されている医療保険のほとんどは、医療機関から出された領収書に診療報酬点数が掲載されていれば支払い対象になっています。
各生命保険会社のホームページで下肢静脈瘤の手術給付金について確認してみましたら、おおかたは「一連の治療過程に複数回の手術についての留意点」というものに該当するため、給付金支払いは一回のみの支払いとなっていました。

 

下記は生命保険会社の下肢静脈瘤についての支払い有無についてのリンクです。

 

下肢静脈瘤についての保険会社の見解

第一生命:下肢静脈瘤手術でご留意いただきたい点についてのページ
明治安田生命:下肢静脈瘤手術支払いについてご留意いただきたい点についてのページ
日本生命:下肢静脈瘤手術の支払いご留意いただきたい点についてのページ
富国生命:下肢静脈瘤手術支払いのページ
損保ジャパン日本興亜ひまわり生命:下肢静脈瘤手術金の支払いに該当するか否かの解説ページ

まとめ

下肢静脈瘤とは、足の血管がこぶのように浮き上がる病気で、原因は静脈の中にある逆流防止弁の故障によるもので、国内の患者数は推定1千万人以上に上り、特に中高年の女性に多いといわれています。

 

治療する方法として手術があり健康保険の適用になるのは4つがあります。

 

  1. 硬化療法
  2. 高位結紮術(こういけっさつじゅつ)
  3. ストリッピング(下肢静脈瘤除去)手術
  4. レーザー手術

 

費用ね目安については、概ね以下のようになります。

下肢静脈瘤手術名

入院有無

3割負担の方

1割負担の方

硬化療法 なし(日帰り) 1~2万円 約1万円
高位結紮術 なし(日帰り) 2~3万円 約1.5万円
ストリッピング手術 入院 7~8万円 約3万円
レーザー手術(保険適用) なし(日帰り) 5~6万円 約2万円

 

以上、「下肢静脈瘤の手術費用はどのくらいなの?高額療養費と生命保険からの給付について」の解説でした。

 

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