人工透析の医療費と身体障害者手帳について

このページは、人工透析の医療費について解説しています。

 

人工透析の医療費ってどうなっているの?

人工透析の医療費は、1ヶ月あたり、外来血液透析で40万円、腹膜透析(CAPD)では30~50万円にもなります。裏を返せば、透析患者一人あたりの医療費は年間400万円から600万円もかかることになります。
この費用は、健康保険を使えば3割負担となり、高額療養費から還付を受けることもできますが、それでも多額の自己負担が発生します。しかも長期にわたって人工透析はしなくてはなりません。

 

CAPD(持続的可動式腹膜透析)治療とは、腹膜と腹腔を使って体内で透析を行うもので、腹腔内に埋め込まれたカテーテルを通して、滅菌透析液を腹腔内に貯留し、この間に腹膜を通して血液中の老廃物や余分な水分を除去する。24時間連続的に透析を行い指導に基づき1日4回バック交換を自分で行う。東京都福祉保健局より引用

 

そこで、国民健康保険や健康保険等の公的医療保険では、自己負担を減らせるように助成制度が設けられています。
ただし、この助成を受けるには、事前に「特定疾病療養受療証」を申請する必要があります。

 

特定疾病療養受療証について

下記の疾病に該当する場合は、特定疾病認定申請書を提出し、特定疾病療養受療証の交付を受けることで、以下のように医療費の負担を抑えることができます。

  • 血漿分画製剤を投与している先天性血液凝固第Ⅷ因子障害または先天性血液凝固第Ⅸ因子障害(血友病)
  • 人工腎臓を実施している慢性腎不全
  • 抗ウイルス剤を投与している後天性免疫不全症候群(HIV感染を含み、厚生労働大臣の定める者に係るものに限る。)

保険医療機関を受診する際には、この特定疾病療養受療証と健康保険証を窓口に提示することで、10,000円(人工透析を要する70歳未満の上位所得者については20,000円)を限度として負担することができるようになります。

 

東京都においての人工透析の自己負担額について

人工透析の自己負担額は上記のような金額になっていますが、東京都においては特定疾病療養受領証とマル都医療券の提示により1万円の補助があるため、窓口での自己負担額はありません。上位所得者については自己負担額は1万円になります。ただし、入院時生活療養標準負担額や入院時食事費は助成対象外になりますので自己負担になります。

 

マル都医療券とは

マル都医療券とは、東京都が行っている難病医療費等助成に対して交付する医療券のことをいいます。

 

マル都医療券申請に必要な書類

診断書は不要です。

  1. 難病医療費助成申請書兼同意書(お住まいの区市町村の窓口にあります。)
  2. 住民票(外国人の方は外国人登録原票記載事項証明書)
  3. 健康保険証の写し
  4. 高齢受給者証をお持ちの方は、その写し
  5. 「特定疾病療養受療証」の写し
 

1から5をお住まいの区市町村の窓口に提出します。

 

生活療養費とは

生活療養費とは、65歳以上の方が保険医療機関の療養病床に入院したときに必要となる食費と居住費のことをいいます。
生活療養標準負担額は1日につき1,700円(1ヵ月約52,000円)をいいます。

 

療養病床とは?

病床は医療法で定められ、以下のような区分になっています。

  • 一般病床
  • 療養病床
  • 結核病床
  • 感染症病床
  • 精神病床

一般病床は、主に急性期の疾患を扱うのに対して、療養病床は主に慢性期の疾患を扱います。

 

身体障害者手帳と人工透析の関係について

身体障害者手帳とは、身体障害者福祉法に定められた「障害認定基準」に該当する人に交付されます。
身体障害には等級が定められていて、障害の程度により1級~6級まで区分され、等級に応じた福祉サービスを受けることができます。

 

人工透析を受けられる方は身体障害1級の申請ができます。
この申請により身体障害1級に認定されますと、他の病気やケガでの通院や入院をした場合にも自己負担を無くしたり減らすことができます。また、医療費助成以外にも、税金の免除や減免、NHK受信料の免除、水道料金の割引、JR運賃の割引、有料道路割引なども受けることができます。

 

ただし医療費やその他の助成のない自治体もあります。また助成があっても、所得制限等もある都府県もありますので各自お住まいの市町村役場等でご確認下さい。

まとめ

人工透析の医療費は、外来血液透析では毎月約40万円ほどかかります。
自己負担については、健康保険を使えば3割負担になり、さらに高額療養費から還付を受けることはできます。それでもとても大きな医療費負担となります。しかも長期にわたって人工透析はしていかなければなりませんから大変な負担になります。

 

そこで、各医療保険では助成制度を設けています。
透析患者は医療保険者に申請をすることにより、「特定疾病療養受療証」が交付されます。
それと健康保険証を窓口に提示することで、10,000円(人工透析を要する70歳未満の上位所得者については20,000円)を限度として負担することができるようになります。

 

なお、東京都においては、東京都が行っている難病医療費等助成に対して交付する医療券(マル都医療券)の交付を受けていて医療機関窓口で提示をすれば、窓口での自己負担額はありません。上位所得者については自己負担額は1万円になります。

 

また、透析患者は、身体障害1級にも該当するため、申請により認定されれば身体障害者手帳が交付されることになります。
それにより、医療費助成以外にも、税金の免除や減免、NHK受信料の免除、水道料金の割引、JR運賃の割引、有料道路割引なども受けることができます。
ただし、助成の内容は各自治体で違っていますので、詳細はお住まいの自治体にてご確認ください。
以上、「人工透析の医療費と身体障害者手帳について」の解説でした。

 

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